日 時 | 2018(平成30)年12月8日(土)13:15~16:10 |
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会 場 | クローバープラザ1階 クローバーホール |
参加者 | 230名 |
「きみが世界を変えるなら」講師 ノンフィクション作家 石井 光太さん
石井さんは、まず国内外での取材を通じてわかった子どもたちの現状について、具体的な事例を示しながら講演を進められました。ムンバイ(インド)のスラムで暮らす子どもたちの写真を提示しながら、虐待を受けたストリートチルドレンの9割が薬物に冒されていること。一方、日本の現状として、相対的貧困家庭で生活している子どもが7人に1人いること、日本では貧困家庭とそうでない家庭が混在しており、そのことがいじめにつながっていることなどが紹介されました。第2部で発表される全国中学生人権作文コンテストでの受賞者の作文も紹介しながら、「虐待やいじめなど、苦しめられた人は、言葉を失ってしまう。しかし、困難を打開するには、言葉を発すること」だと訴えました。そして、ノーベル平和賞を受賞したマララさんのお父さんの言葉-『マララみたいに強くて勇敢な子どもの育て方の秘訣を聞かれるが、私の答えは、「何もしなかった。」ただ、彼女の翼を切り取らなかっただけだ』-を引用しながら、苦しめられた人があげた声を聞くのは周りの人たちであり、発せられた言葉を周りが受け止めることが大切だと話され、講演をしめくくりました。
第38回全国中学生人権作文コンテスト福岡県大会表彰式・発表会
第2部は、福岡法務局、福岡県人権擁護委員連合会の主催による「第38回全国中学生人権作文コンテスト福岡県大会表彰式・発表会」が行われました。県内の277校から44,607編に及ぶ応募があり、その中から選ばれた7名の中学生からそれぞれの受賞作文が読み上げられました。
中学生の作文発表を聞いた参加者からは、「子どもたちのまっすぐな声と想いにとても感動しました」「中学生が頼もしく思えました」などの感想が寄せられました。
過去の福岡県大会の入賞作品は、
http://www.moj.go.jp/jinkennet/fukuoka/04kokoro/fukuoka_f-00kokoro.html#4でご覧になれます。
テーマ | 「未来に差別を残さない」 |
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日 時 | 2018(平成30)年7月21日(土)13:30~15:50 |
会 場 | クローバープラザアリーナ棟2階 大ホール |
参加者 | 747名 |
「手拍子の花束~みんなでボディパーカション」久留米ボディパーカションクラブ
オープニングは、久留米ボディパーカッションクラブによる「手拍子の花束~みんなでボディパーカション~」。参加者の方々も一緒に手拍子をし、会場全体が一体となって音楽を楽しみました。
「部落問題と向き合う私たち~結婚差別を乗り越えて~」
講師 石井 眞澄さん、石井 千晶さん
石井眞澄さんは、大学生当時、両親から被差別部落出身の女性との交際を強く反対されます。眞澄さんは、「両親も心の底では差別が間違っているとわかっている。でも周囲との関係で悩んでいた。差別は、差別される側だけでなく、関わった人全てがつらい思いをする。」と自身の経験を語ります。その後、交際がはじまった千晶さんから、被差別部落出身であることを打ち明けられた眞澄さんは、千晶さんと一緒に人権や部落について学び続けます。一方、眞澄さんの両親も地域の人権学習に参加したり、知人に相談したりすることで差別を克服し、変わっていきます。眞澄さんは、「差別の解消には、なにより学ぶことが大切」と会場の皆さんに訴えました。
石井千晶さんは、小学生の6年間、地域の学習会に休むことなく参加していました。母親から、祖父母世代の中には、厳しい差別により学校に行けなかった人も多かったため、学習会が始まったことを聞かされます。その後、差別発言や結婚差別を経験しますが、自身の差別体験を率直に話す眞澄さんと出会い、「この人なら乗り越えられるかもしれないと思った」と当時の気持ちを振り返ります。千晶さんは、会場で眞澄さんのお父様からの手紙を紹介されました。そこには「差別という迷いから目覚め、今では二人の活動を誇りに思っている」と書かれていました。
最後に千晶さんは、「人って本当に変われる。これまでしんどい思いもしてきたけれども、部落に育ったからこそ、いろんな出会いがある。すごい幸せだと思っています。」と語り、講演を締めくくりました。